大統領の裏にいる男の後編です。「へー!キッシンジャーすげー!!」じゃなくて、日本にも大局的に世界を見ることができる素地を持つ人物は大勢いると思うのです。
まずは、傀儡(くぐつ)や羊からの脱却が必要ですね。
アラフィフ単身赴任サラリーマンのえびすたま剛です。
大統領の裏にいる男
ベトナム和平のため政治中枢へ
キッシンジャーはベトナム和平のためには自分がその政権に入らないといけないからということで、共和党に入ります。
実は、ベトナム戦争を始めるちょっと前の1960年にネルソン・ロックフェラーが大統領候補になったのですが、キッシンジャーはその外交アドバイザーになっていました。
ところが、なんとネルソン・ロックフェラーが選挙に落ちてしまいます。お金あるのにどうしちゃったんでしょうね。でも、blue bloodは必ず代理に実行させるので、blue bloodが傀儡(くぐつ)に降りてくるもの変な話です。ちょっと散歩しよっかな?的な感じだったのでしょうか?
そして、ケネディとジョンソンの二人がベトナム戦争をうまくできなくて、投げ出したところを拾ったのが共和党ニクソンですね。1968年にニクソン大統領が当選して、キッシンジャーに大統領補佐官への就任を依頼します。
具体的には中国との外交ですね。そして大っぴらにはできない秘密外交要素があるので、外交担当の国務省は外して、国家安全保障会議(NSC)を立ち上げて、キッシンジャーはそのトップになります。
ニクソンからの依頼は「裏でも何でもいいから、毛沢東と話をつけろ」だったのです。
ニクソン政権下にはロジャーズという国務長官がいたのですが、名ばかりで干されていたのですね。外交はキッシンジャーがトップであるNSCが一切の外交をやっているという路線だったのですね。
そして、具体的にキッシンジャーは暗躍していきます。訪中するにも色々と邪魔が入るので秘密裏にやりたいのですね。そこで、キッシンジャーはパキスタンに行きます。
パキスタンは元々米国の同盟国ですから、米国大統領補佐官が行くというのは特に誰も不審に思わない行動なのですね。そして実際にパキスタン大統領と飯を食って、その場で腹痛になってしばらく入院するということで、1週間ほど姿を消しました。
その間になんと北京に行って、極秘のうちに毛沢東に会って話を付けます。「うちのボス、ニクソンがあなたに会いたいと言っているのです。迎えてくれますか?」毛沢東が「歓迎しますよ」
毛沢東としても当時ソ連とバチバチやっていて、ソ連に対抗して米国を引き込もうとたくらんだのですね。
その結果、1972年歴史的なニクソン訪中が実現してここから、米中蜜月が始まります。
そして、毛沢東は北ベトナムを見放し、米国は親米政権の南ベトナムを見放すということになります。米国に見放された南ベトナムは2-3年後に崩壊したのですが、その時のキッシンジャーの言葉です。
「米国の敵になることは危険かもしれないが、米国の友人になることは致命的だ」
日本の政治家はこの言葉をどう受け止めているでしょうか?
キッシンジャーと日本
日米安保がなぜあるかというと、中国が敵だからなのですが、その日米安保がある日本に相談なく北京に行ったわけですね。この行為で、当時の田中角栄首相のメンツは丸潰れだったわけです。
実際、キッシンジャーが北京で周恩来首相に会ったときに言われたそうです。
「今まで日米安保で中国は敵と言っていたのに、あなたはなぜここにいるのですか?だったら、日米安保をやめてくださいよ」
これに対してキッシンジャーはこう言いました。
「日米安保が中国を敵視しているというのは誤解ですよ。そうではなくて、日本人は何をするかわからないから、だから日本が暴発しないように米軍を置いているんです」
これで周恩来は納得したようです笑。
その後、田中角栄がふざけるな!!ということで、日本も北京に行って日本が米国より先に国交を結びます。
これを聞いたキッシンジャーが「あのJapが!!」って罵倒したそうです。有名な話なのですね。そして、ロッキード事件につながっていきます。
キッシンジャーはベースとしてウィーン体制思考なのですね。大国のバランスをとるために小国が犠牲になるなのです。
だから、一貫してキッシンジャーは中国はパートナーという立場なのですね。
まぁある意味仕方がない部分はありますよね。当時も今も日本国が自分で国を守ろうという気が全くなくて、何かトラブルがあったら米国が助けてね、という感じですよね。
もしこの時に日本が毅然とした態度を取っていて、アジアにおけるパートナーは日本がやります、核武装もします、と日本政府がはっきり言っておけば、キッシンジャーが態度を変えた可能性は十分にありますよね。
キッシンジャーと中東政策
キッシンジャーはユダヤ人ということもあって、イスラエルを守りたいのですよね。ですが、ずっとそのイスラエルが周りのアラブの国と戦っていました、4回ほど。そこで、もう終わらせようということでキッシンジャーは仲介に入ります。
加えて、このベトナム戦争で米国がどんどん疲弊していき、ドルの価値がどんどん下がっていって、ドル危機に陥ってしまいました。
そのドルの価値を保つためにキッシンジャーが考えたのは「石油だ!」と。中東の特にサウジアラビアの防衛を米国が守りますので、その代わり石油代金は必ずドルで受け取ることができるようにしてくださいと依頼したのですね。
そうすると世界中の石油が欲しい国はドルを持っておかないとしょうがなくなりますし、ドルを溜め込んでいくことになります。そして、米ドルの価値を維持できるということで、キッシンジャーはこの石油とドルを交換するペトロダラーシステムというのを作ったのですね。
退任後も多大な影響力を及ぼすキッシンジャー
ニクソン大統領はウォータゲート事件で失脚に追い込まれてしまい、次にフォード大統領が就任します。このフォード政権もキッシンジャーが仕切っていました。この時大統領補佐官兼国務長官だったのですが、フォード政権の終わりとともに、キッシンジャーは政治の表舞台から去ります。
その後は、色々なシンクタンク、例えばCSIS(戦略国際問題研究所)で講演したり本を書いたりしています。
あと、キッシンジャーアソシエイションというコンサル会社を作って、色々な外交に関するアドバイスをしていきます。
この後、米ソ冷戦が終わって、ジョージ・ブッシュ政権でイラク戦争をするわけですが、歴代大統領の国務長官はキッシンジャーの弟子なので国務省もキッシンジャーが押さえてしまったのですね。
米ソ冷戦後に中国が市場経済導入ということで、ますます米中が接近していき、ますますキッシンジャーの力が高まっていきます。
最近では台湾有事に関して、「もし中国が台湾に武力侵攻した場合は、米国はこれを座視しない」とバイデンが言ってしまいます。慌てて国務省が米中関係に変更はありません、と訂正しました。
この時キッシンジャーはこう言っています。
台湾を米中交渉のカードにすべきではない(つまり米中関係が第一)
つまり、大国との関係構築のために小国は見捨てる ということなのですね。
非常な決断、クーデターを指揮
キッシンジャーのダークサイドとして、中南米ではめちゃくちゃやっているようです。
中南米にあるチリ、この国の地下資源を米国・英国がずっと押さえていたのですね。それをチリ政府が取り戻す!と戦ったのがアジェンデ大統領という人で、元々マルクス主義の経済学者で、バックには共産党と社会党がいたのですが、選挙で選ばれたアジェンデ政権に対して3年後にチリ軍がクーデターを起こして現職大統領を○害します。
そして、クーデター首謀者のピノチェト将軍が大統領になって約30年独裁なのですが、このピノチェトのクーデターのプランを作ったのがCIAで、その指揮を執ったのがキッシンジャーだったのですね。
それでは、実際に今世界が何で動いているかというと国連ではなくて、大国同士のパワーバランスで動いています。これを徹底的に冷徹に突き詰める外交をやっているのがキッシンジャーだったのですから、その点では習近平やプーチンとは話ができる人なのですね。だからトランプ大統領も頼りにしたのですね。
こういう政治家、外交官が日本にはほとんどいないのが悲しいところですね。そもそも、キッシンジャーが学んだ国際関係論を学べるところが、一部防衛大でやっているくらいで、日本には基本無いというところが一番の問題ですね。
戦前の日本人は国際関係の冷静な分析ができているのですよね。これもGHQの占領政策による影響の部分というところでしょうか。
悠長に構えていたら、小国とみられている日本は大国の犠牲になっていくのみですよ。日本の国は日本で守らないと、その上での日米同盟ですよ。日本が主体となって如何に自国の領土・国民を守っていくのか、その力をどのように付けていくのか、もうポチ、足舐めワンワンはやめましょうね、増税めがねさん!
今日のTwitter(れちゃん)
しばらく、れちゃんの写真を蓄積して、一気に放出です♪ あるサイトで見たら、れちゃんはJカップだそうです。やっぱそれくらいあるんだぁ~
一発目は春~夏の総集編ですよ。カワイイれちゃんがいっぱいです💗
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